アジア太平洋マネジメントからのお知らせ

新年のご挨拶

謹 賀 新 年

旧年中のご厚意に心より御礼申し上げますと共に、謹んで新年のお慶び申し上げます。

中小企業に於ける旧年中の経営環境を振り返りますと、コロナ禍が明け売上高の回復が顕著となってきたと同時に、原油を代表とするエネルギー価格の高騰や、円安の進行を主因とする物価高により、売上原価が飛躍的に増加しました。値上げを繰り返すも、完全な販売価格への転嫁は困難であり、多くの中小企業に於いて粗利率が低下する傾向が明らかとなっております。

更に、コロナ禍に於いて手元流動性を高めるため、多くの中小企業が所謂ゼロゼロ融資の調達を行いました。財務内容が元々良好であったり、コロナ禍にて財務健全性の大きな毀損を認めなかった場合、一括返済が可能となりますが、コロナ禍にて財務健全性が毀損された場合、今後のCF(キャッシュフロー)構造に致命的なダメージを与えることとなります。

「未来」を語るためには、「足元」を確認する必要が有ります。売上高や保有資産額として同程度の企業が存在していても、P/Lでの収益性やB/Sでの自己資本比率、また手元の現預金残高の多寡により、創ることが出来る「未来」は、物理的にも決して同じものではありません。目先の投資や目先の節税を繰り返していれば、B/SやP/L、CFの双方向より、企業の健全性を担保することは難しいでしょう。

アジア太平洋マネジメントでは、既に脆弱な水準の財務レベルに陥った企業の再建と、現状では脆弱性を認めない企業の将来への備えを、財務的見地より総合的にサポート致しております。先ずは盤石な「足元」を築き、強固に足元を固めた上で「未来」を想像する。身の丈に合わない企業の成長(つまり、自己資金の準備も無く、借入金によってのみ投資を繰り返す行為)は、外部環境の変化により、儚くも破綻してしまいます。

企業経営に於ける持続的発展(Sustainable Development)を財務構造的に追求し、投資と留保、利益とCFの整合性を担保した経営コンサルティング業務を、本年も継続致す所存でございます。本年も、皆様方のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

令和6年1月1日
アジア太平洋マネジメント
代表 青木道生