アジア太平洋マネジメント 開業10周年のお知らせ
アジア太平洋マネジメント(代表 青木道生)は、令和2年3月1日を以て、開業10周年を迎えました。
アジア太平洋マネジメントは、平成22年3月1日に福岡県北九州市にて開業致しました、財務コンサルティングを主とした経営コンサルティング・オフィスです。平成20年9月15日、リーマン・ブラザーズが米連邦破産法11条(チャプター・イレブン)の適用を申請し、負債総額6,130億ドル(当時の為替レート換算にて約63兆8,000億円)を抱え経営破綻に至りました。アジア太平洋マネジメント開業当時、国内中小企業はこの外部環境の影響を直接的に受け、経営環境は悪化の一途を辿っていました。
リーマン・ブラザーズの経営破綻当時、金融機関に勤務しておりましたが、バンカーの業務は与信(貸出)に係る審査が主であり、その審査主体は担保と保証、つまりは「債権保全」にありました。中小企業に潤沢な不動産担保が備わっているケースは少なく、業績不振、即ち債務超過又は同等水準のB/Sを形成する中小企業へ貸出を行うことが出来る唯一の手段は、信用保証協会の保証付き融資となります。ここに、金融機関の主体的与信審査は実質的に行われておらず、保証協会の保証判断を以って、金融機関の与信判断とすることが実務的運用でした。
金融行政の変遷により、「経営者保証の解除」や「事業性評価」というキーワードを耳にするようになりましたが、事業性は金融機関のシステム上での保全として算出されず、現在でも引続き、中小企業の融資は各都道府県の信用保証協会の存在に懸かっていると換言可能です。このような環境下、アジア太平洋マネジメントは金融機関と中小企業との架け橋・通訳的役割を果たすべく、中小企業の経営改善・企業再生又は事業計画の履行及び中長期での持続的な事業成長・拡大を目指すことを目的として、数多くの企業経営をサポート致しております。
わが国の中小企業を取り巻く今後の外部環境は、明るい展望のみではありません。平成20年当時のリーマン・ショックが、中小企業にとって自助努力では如何ともし難い外部環境の悪化であったように、今後の世界経済が抱える外部環境の悪化要因も、新型コロナウィルスの問題、五輪開催後の景気後退の問題、米中貿易摩擦を主因とした中国経済減速の問題等、多岐に渡ります。このように、金融市場は不確実且つ脆弱であり、好景気や不景気といった実体経済に影響を及ぼす景気変動は、金融市場に端を発するものです。中小企業経営にとって馴染みの少ない金融市場が、中小企業経営を取り巻く外部環境を形成していると換言可能と考えます。
現在より、外部環境悪化時に如何にして耐え得る財務的体力を備えておくのか。企業の持続的成長に必要な資源を如何にして獲得し続けるのか。投資と回収のみではない、投資と回収と「留保」という考え方を、中小企業経営の財務政策として如何に確立することが出来るのか。中小企業経営にとって、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の最適な分配とはどのようにあるべきか。このような問いに、あくまでも財務的見地より、個々の企業に合わせたオーダーメイドの解を見出すべく、財務コンサルティング専門の経営コンサルタントとして、引続き邁進してまいります。
皆さま方の、引続きのご指導ご鞭撻を、何卒宜しくお願い申し上げます。
令和2年3月1日
アジア太平洋マネジメント
代表 青木道生